2016年9月19日月曜日

【現地報告】釧網本線全線復旧後 釧路湿原のいま

 先日の4つの台風による大雨災害の影響で根室本線・石勝線が壊滅的な被害を受け、道東方面の旅客・観光・物流が大打撃を受けているのは皆さんご存知であると思います。

 それだけではありません。釧路の一大観光地である釧路湿原が大雨による増水の影響で、周辺道路や線路が冠水し、大変なことになっているのです。
 湿原内を通る釧網本線が、この影響を受けてしまい、達古武湖とシラルトロ湖周辺で線路が冠水。国定公園内のため復旧には水が引くのを待つしかなく、湿地であるためそれにも時間がかかり不通が約1か月という長期間になってしまい、16日午後からようやく全線で運転が再開。観光路線である釧網線にも賑わいが徐々に戻りつつあります。

 そこで地元鉄道愛好家団体である釧路臨港鉄道の会会員である私も今どんな状況になっているのか気になり、昨日18日に釧網線に乗って取材してきました。


 周遊には朝に釧路を出発する快速しれとこが便利です。


 釧路発車前に徐行運転実施の為遅れありとのアナウンスが。運転台を見てみるとダイヤの横に徐行運転の通知を掲出していました。状況監視の為か助手席側にもう一人乗務員が乗車していました。


 湿原内は沿線の平地ほぼ全体と言っていいほどご覧の通りの水浸しの状態になっています。こんな光景はこの時期にとしては見たことがありません。


 釧網線が長期不通となる原因の一つとなった達古武湖付近の線路冠水箇所周辺もご覧の通り。細岡を出てすぐのこの区間は徐行運転となっており添乗の乗務員・保線員が線路と周辺の状況を監視しながら進んでいきます。当然ダイヤは遅れるわけですが逆を言えばこの貴重な光景をじっくり観察することができるとも言えます。言い換えれば釧路湿原内は全列車ノロッコ号というわけです。






 釧路湿原沿線の見どころである釧路川の蛇行スポットも徐行で進んでいきます。未だに水量が多すぎて最早蛇行ではなく至る所が川の水面と化しています。




 とは言え水の流れはそれほど激しくはないのでご覧の通りカヌーでの川下りは再開されています。



塘路を出るとコッタロ展望台方面へと通じる道道1060号線が見えてきますがよく見ると冠水したまま。この為この道道は通行止めになっていました。湿原内の道路もこのような状態の箇所が未だ複数個所存在し容易に幹線道路から離れた湿原内部へは近づけない状態が続いています。



 塘路を出るとすぐ徐行区間に。線路冠水したシラルトロ湖付近を通過します。本来奥が湖ですが増水のおかげで線路間近まで水が来てしまっています。



徐行区間で動画を撮ってみました。

 これらを見て、不通が長期化したのは無理もないと思いました。また大雨が降って釧路川が増水し湿原内に水が大量に流れてくれば、再び線路が冠水する可能性が高くなっている状況です。今はまたそのような状況にならないように祈るしかありません。

 


 釧網線の看板列車、釧路湿原ノロッコ号も全線復旧に合わせて運転を再開。運転期間中最後のかき入れ時となるシルバーウィークに間に合いました。私も今回3・4号に乗ってきましたが天気も悪くさすがに満席とはいかない状況。早く観光客が戻ってくることを願うばかりです。


 締めは摩周駅前ぽっぽやの豚丼。結局摩周まで行ってきました。これからは紅葉シーズンに入るので釧路湿原だけでなく摩周湖や屈斜路湖、川湯温泉まで足を延ばすのもいいかもしれません。

 というわけで秋の観光シーズンに何とか釧網本線の復旧が間に合いました。道東の周遊観光にぜひご利用いただければと思います。


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