2016年7月30日土曜日

【HME2016出展作品】 アオシマDD51製作でのポイントその2

 写真を漁りながら思い出しながら書いているので順番はバラバラですがお付き合いくださいm(__)m


 台枠です。ここをきちんと組めるかによってその後の艤装にも大きく影響してきます。


 まず台枠本体は成型上板と側面になるT字のパーツで構成されているため、そのままでは板パーツがどうしても歪んでいる状態です。T字パーツを接着する際は板パーツの歪みを極力矯正してからT字パーツを接着してください。プラ用接着剤で接着後クランプ等で垂直になるように固定し、流し込み接着剤や低粘度瞬着を流し込んで剛性・強度をさらに強化します。

 


 台枠端のステップ部は分割構成になっているので台枠からステップにカーブする部分はパテや瞬着を盛りつけて成型して均します。


 本体の骨組を組んでから機器類を取り付けていきます。LED組み込みの際は組み立て時に説明書の通り配線箇所を切り抜いてから接着してください。指定より若干多めに切り抜いておくと配線の時に楽になります。
 燃料タンクはスナップオン式で取り付け可能なのですが、前述のT字パーツが垂直に取り付けられていないときつくて嵌らない、最悪固定具部分が破損する恐れがありますので注意してください。きつい場合は爪の受け部分を削って均すことで若干の調整は可能です。




 キャブ内装ですが、床板を外装に嵌める前に接着してしまうと干渉して内部に嵌めることが出来なくなります。キャブを台枠に固定してから上から取り付けていきましょう。
 ※それを知らず床板を内部に組み込む前に写真の通り接着してしまい後で手間取る嵌めになりました…


 塗装について。外装など一部パーツの表面が梨地になっております。Nゲージばっかりやっていて塗膜を薄く仕上げるのが当たり前だった私にはこれでは全体的に生地の質感が揃わないのではないかとちょっと悩まされました…
 結局青塗装時に研ぎ出しを2回行い落ち着いたのですが凸凹が多く大変でした…。スケールモデルを組んでいる方にこの場合の対処についての技法について聞いてみたいところです。







 金帯の塗装方法です。いろいろと方法が紹介されていますが、組み方によって微妙に部品の合いが変わり現物合わせのケースが多いこのキットでは仮組して塗った方が得策と考え、外装を台枠に載せる手法を取りました。
 帯のマスキングは下限の位置を決めてから下の帯、間の青部分、上の帯、上限と隙間なく貼っていき帯部分を剥がすという手法です。帯色はガイアのスターブライトゴールドを使いましたが、もう少し渋めでもよかったかもしれません。




 トレードマークの星ですが、付属のデカールが大きくて困りました。そこでデカールを縮小コピーしてそれを型紙に白と金部分をそれぞれマスキングテープを切り出して塗装しました。







 LEDはそのまま組み込むとどうしても光漏れします。テールライトはデッキ端部との隙間を黒ランナー引き伸ばし線で埋め、ヘッドライトはメッキ部との接続パーツとLEDを遮光テープを巻きつけて固定を兼ねて遮光、運転台計器類はコンソール裏に遮光テープを貼り付けて遮光しています。
 LED取付部周辺は透け防止のために予め下地に黒を塗っておくと尚良いでしょう。

 エアーホースの吊り具としてチェーンを追加してみました。手法は説明書通りです。手間はかかりますが更に実車感が増します。


 LED配線は目立たないように色差しした方がいいかもしれません。今回は時間がなくそのまま。




 旋回窓は厚みを表現するために裏に黒を色差ししてあります。1140号機はかなり出っ張っているタイプなのですが工期短縮のためにこの手法を取りました。



 苦労話はまだまだありますがHMEまで時間がないのでとりあえずここまで。会場に行ける方は是非間近でご覧ください!



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2016年7月28日木曜日

【HME2016出展作品】 アオシマDD51製作でのポイントその1

  先日告知した通り、今年のHMEに向けて製作していたアオシマのDD51、何とか形にすることが出来ました。既に完成させているモデラーの方が多数いるので、細かいことはそちらにお任せすることにして私からは鉄道模型モデラーならではの切り口で解説していきたいと思います。



 総数1200を超えるパーツ数というプラモデルでも稀に見るボリュームのキット故、破綻なく丁寧に仕上げるには月単位の製作時間を覚悟しておく必要があります。私は振り返ると中断期間がありましたが通算4か月以上かけていました。
 しかしながら完成品を見ればお分かりになるかと思いますが、それに見合うポテンシャルとクオリティを持っているのは確かです。フルマラソンのような長い道のりですがコツコツと一つずつ工程をこなしていきましょう。


 今回、製作において主に参考にした文献です。モデルアートの作例記事では組み立て方のポイントを詳しく解説しています。ネコ社の鉄道車両ガイドは特に北斗星色と鷲別区所属機の細部ディテールについて掲載されており、特定号機製作の上での貴重な資料となるでしょう。

 これとキットのパーツを照らし合わせると…


 キットには1137、1140、1143、1148の4両分のナンバーが付属していますが、今月発売となる標準仕様との仕様共通化のためか、デッキの手すり形状がご覧の通り角型となっています。


 こちらは1137号機ですが、このように晩年残った北斗星色(JR北海道所属)機の多くは角が丸いデッキ手すりを装備していました。

 調べたところ、付属のナンバーの中で角型デッキ手すりを装備しているものは1140号機しかありませんでした。
 というわけでストレートに組むならば1140号機にすることをお勧めします。


 次に組み立て時のポイントとアドバイスを。


 エンジンですが素組みだと排気マニホールドのディテールがなく物足りません。


 というわけで耐熱テープと継手を追加。



 その差は歴然。耐熱テープはマスキングテープの糊だけだと不安なので低粘度瞬着を塗り込んでいます。


 着色するとご覧の通り。ぜひお試しください。

 
 動力台車の砂箱にエッチングパーツのロック金具を取り付けるのですが、小さすぎるが故上手くやらないと強度が稼げません。
 私の場合、糊しろとなるロック基部にゼリー状瞬間で仮固定してから低粘度瞬着をランナー引き伸ばし線で掬い取って接着部に数回流し込むという艦船模型ではお馴染みの方法を採りました。
 しっかり接着できれば引っかけない限りは実用強度になるはずです。


 分かりずらいですがプラキットであるが故、このキットにはパーティングラインや継ぎ目消しを要する箇所が無数に存在します。無数というのはこのキットのパーツ数から来ております。大小関係なくパーツ1個に1箇所はあると言ってもいいくらいに。
 塗装してからガッカリしない為にもここは頑張って削るしかありません。私は今回ウェーブのマイクロセラブレードを導入し、ペーパーと併用して削りました。カンナ掛けで荒削りしてペーパーで仕上げるという段取りです。大きさ故削りカスが半端ないですが都度掃除して進めましょう。


 塗装も大変です。一気に1日でというのは作業量と換気の関係ではっきり言ってお勧めしません。発色むらが出ないように上手く同色をまとめて効率よく塗れるよう工程を分ける必要があります。大面積を数回に分けて塗っていくので休みの日などまとまった時間が取れる日が最適です。
 また塗装ブースがあっても換気が追いつかないこともあるので防毒マスクは必須です。

 長くなるのでここで一旦区切ります。


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2016年7月26日火曜日

【アオシマDD51ベールを脱ぐ】HME2016に出展します

 JNMAが終わり、今度は道内モデラーのお祭りが近づいてきました。

 そうです、道内最大級のオールジャンル模型展示会「北海道モデラーズエキシビジョン」(HME)が今年も開催されます。今年も拙作を出展することになりました。

 今回はNゲージだけではありません。
 そうです、予てから製作していたアオシマDD51を出展します!


 先週土曜日、展示台含めて何とか完成までこぎ着けて日曜日に前納品してきました。
 正直、完成手前で体調不良だの部品紛失だのトラブルに見舞われ間に合うかどうか胃が痛い日々でした…ようやくひと段落が付いた感じです。

 他にももしかしたら同キットを出展してくる人がいるかもしれませんが、鉄ヲタだからできるこだわりを持って製作したつもりです。ぜひ会場でご覧いただければと思います。


 HMEに関して詳しくはコチラ↓



 今年も日頃からお世話になっている札幌コムモデル・モデルクラブブースにて展示します。アトリウム会場です。今回はNモジュールに加えて、おそらくHME初となるジャンルでの展示が!それは会場でのお楽しみ…♪ぜひお越しくださいm(__)m

 尚、ワタクシは今回2日目日曜日のみ会場におります。1日目土曜日が休めなかったのが痛恨の極み…

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2016年7月18日月曜日

第22回JNMAフェスティバル活動報告

  もう既に2週間経ってしまいましたが…
  先日のJNMAフェスティバルにて当実演ブースにお立ち寄りくださいました皆様、ありがとうございました。



  今回、アオシマDD51という異色と言ってもいい題材を取り上げてみました。開発時から注目していて普段弄っているNゲージとは違い、ビックスケールのプラスチックディスプレイモデルキットだから出来る外装から内部まで本物同様のディテールを再現できるというコンセプトに惚れ込み2台購入し、月末の道内模型展示会(詳しくは後日)に向けて製作しているものを使ってこのキットについて知ってもらおうと思ったのがきっかけです。

 写真でご覧の通り、手前のNゲージと比べるとその大きさがお判りいただけると思います。その大きさを活かした細部に至るまでにディテール表現は一見の価値あり。作りながら車両の内部構造を知ることができる、そんな感覚です。

   来場者の方々からは欲しいけど膨大なパーツ数と工程で買おうか迷っている、組み立て途中で止まっている或いは買ったまま積んでいるといった声がちらほらと聞きました。確かにその大きさ故組み立てるのにそれなりの時間と労力を必要ですが、きちんと完成されることが出来ればそれに見合った満足感が得られるはずです。そういった方々の一助になれば幸いです。


 そして今回のJNMAから少しだけ。
 

 今回、モデラー友人達が合同でディーラー出展しました。3Dプリンタ出力パーツを中心に室内表現シートや実車資料集など…飛ぶように売れているものもありモデラー達の旺盛な購買欲に驚かされました。
  友人達の新たな挑戦に感化されたのか、来年は何かしら出品してみたくなってきました(できるのか?笑)





こちらは昨年から始まったモデラー有志による作品展。今回何とか時間を作って見ることが出来ました。
このように間近で他のモデラーの作品を見て情報交換できる機会があるというのはそれぞれの技術力アップという相乗効果も期待でき、これからも何とか続けてほしいところです。


で、今回の戦利品は控えめに。少しずつこれらの使用作例を出せればと…


今年も無事モデラーの祭典が終了。また次の一年が始まるのでした…