HMEが終わり、ようやく落ち着いた9月のある日のこと。釧路を拠点に撮り鉄で活躍し、個展も開くほどの腕前を持つとある方からこんな依頼が。
これを作って欲しいと。そうです。ご覧の通り全金属性の板キットです。
個展で手持ちのNゲージを走らせていたらすっかりその魅力にハマってしまったそうで、時々はまなすやDEに牽かれてやってくるコイツの製品が欲しいと探していたらコレに辿り着いたとのこと。キットを作る技術が無いのでお願いできないかということで今回お受けしました。
実はワタクシ、全金属製キットの組み立て経験は自慢できる程多いわけではありません。キットメーカーの傾向とか素材の取り扱い方など組み立てのノウハウはまだまだ初心者の域。この機会に技術力アップも兼ねてこの度一念発起したわけです。
ボナさんのキットは瞬間接着剤でもハンダでもどちらでも組み立て可能なパーツ構成ですが、今回はボディの主要箇所はハンダ付けで組み立てました。
角の隙間埋めのハンダの流し込みが難しい…(結局最終的には瞬着を盛って仕上げました
側面のルーバーはホワイトメタルとプラなので瞬着で固定。
検測窓はハンダ付け、点検扉はゼリー状瞬着で点付けし仮止め後微調整してから裏からサラサラ系瞬着を流し込み固定。
屋上機器は説明書通り採寸して穴あけします。
ランボードはプラ板で自作。
サフって隙間凹凸をチェックしながら整形していきます。
また、更新時にエンジン交換で開口したと思われる屋根の溶接痕を何とか再現できないかと頼まれていたので思案した結果…
極細のランナー引き伸ばし線を埋めて整形するという結論に至りました。
屋根はそのまま載せると若干低いことがわかったのでt0.5プラ板で嵩上げしています。
屋根とプラ板との隙間とRをきれいに出せるかがポイントです。
内装も欲しいとリクエストがあったので頑張ってみました。プラ板で取り外し可能なように固定にはねじ止めを採用。
デッキ扉はプラ板の貼り合わせで。
実車の資料に乏しいので同形式他車の室内の資料を元にそれらしく作成。配給電車様、資料提供ありがとうございますm(__)m
そしてサフを吹いて下地の最終チェック。
溶接痕も上手く出せました。
そして塗装。黄色5号を最初に吹いて帯部分をマスキングして青15号を。
そして細部に色入れとインレタ転写。検査標記の貼れなさには泣かされました…
床下の黒は若干艶を落としたものに。
カプラーポケットにスプリングを仕込んでカプラーが下がらないように対策。
室内は淡緑色。デッキ扉は銀色でアクセントをつけます。
屋根はねずみ色ですが、溶接痕の内側は実車の通り色を変えています。
最後に後部反射板を取り付けて完成です!
室内の作り込みがアクセントとして効いています。
そして完成後試運転ということで花月園でマヤ検(違
そしてはまなす検測「マヤなす」ももちろんやりました。
久々の金属キットでしたが、上手く独自のアイデアを取り入れることもでき、楽しく組めました。ボナさんからは年明け頃に北海道ネタが出るということで次回はそれにしようかなと…
金属キット組み立ての技術錬成はまだまだ続きます。
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